研究助成制度採択者決定のお知らせ
兼ねてより募集をしておりましたBeyond BioLAB TOKYOの研究助成制度につきまして、採択者が決定いたしましたのでお知らせをいたします。
助成研究001:日本の都市環境における微生物の機能やヒトに対する影響の調査
氏名 | 伊藤光平さん |
所属 | 慶應義塾大学環境情報学部4年生 |
研究概要 | 「GoSWAB」という学生団体を立ち上げ, これまでにメタゲノム解析や16S rRNA 遺伝子配列解析を用いて微生物の分布や遺伝子を調査し,国内・ |
その研究に携わった経緯 | もともとは, |
一言コメント | このたびは,特待生として採択していただきとても嬉しいです。 アクセスがよく整った設備の中で研究できることが大変喜ばしく思 1年間どうぞよろしくおねがいします。 |
Beyond BioLAB TOKYOからの一言
伊藤さんの研究は私たちの日常に生きる微生物の存在を意識させてくれる研究です!実験はもちろんですが、ぜひアクセスの良いラボを活用して、協力者さんとのネットワーキングをどんどん実践していってください!
助成研究002:魚類造血幹細胞あるいは造血前駆細胞の分離と培養方法の開発
氏名 | 河野文美さん |
所属 | 大分県佐伯市役所 |
研究概要 | 【魚類造血幹細胞あるいは造血前駆細胞の分離と培養方法の開発】
造血幹細胞とは、赤血球、白血球、血小板、樹状細胞などの血球系細胞に分化する幹細胞の事を言います。この細胞には自己複製能があり、自らが分化して血液細胞になります。哺乳類では主に骨髄に存在する造血幹細胞ですが、真骨魚類では腎臓中に存在することが証明されています。 造血幹細胞は生体外へ取り出すと分化してしまうため、自己複製能を有した状態での生体外培養法の確立は難しいとされていましたが、2015年にマウスやヒトでは特定のたんぱく質の発現を阻害することにより主に白血球への分化能を有した造血前駆細胞(iLS:人工白血球幹細胞1)を生体外で大量に増幅させる方法が開発されました。 本研究は、魚類養殖における産業規模の大きなサケ科魚類の造血幹細胞を特定し、生体外での培養方法の開発に繋げるものです。その成果は、魚類における造血機構の解明に関する研究材料になるだけでなく、産業的被害の大きな魚類血液に感染するウイルス等病原体のワクチンや治療薬開発への利用が期待されます。 |
その研究に携わった経緯 | 前職で養殖魚の防疫管理の仕事をしていた時に魚病被害の大きさを目の当たりにしたことがきっかけです。魚の病気に対する治療薬は、産業の歴史が浅いこともあり農作物や畜産物の疾病のように使用できるワクチンや薬剤が多くありません。また、養殖される魚種数が多いことから市場規模が限定され、治療法の開発が進みにくい問題があります。 |
一言コメント | この度は、諦めかけていた研究をするきっかけを与えていただき有難うございます。この機会を無駄にしないよう大切にします。よろしくお願いいたします。 |
Beyond BioLAB TOKYOからの一言
河野さんの研究している魚類造血幹細胞は、社会課題としては大きな問題ですが、研究領域ではいまだニッチな分野です。そのため新しい発見が数多くあるのではないかと思います。河野さんのお魚に対する熱い想いにも感銘を受けました!!!応援しています!!!